過去3回に渡り、こち亀を参考にしながら佐賀県の地域ブランド「諸富家具」の育て方について考えていきました。

こち亀に教わる地域ブランドの育て方〜佐賀県「諸富家具」その1〜|kakeruIP弁理士法人
こち亀に教わる地域ブランドの育て方〜佐賀県「諸富家具」その2〜|kakeruIP弁理士法人
こち亀に教わる地域ブランドの育て方〜佐賀県「諸富家具」その3〜|kakeruIP弁理士法人

今回のテーマは「温泉」です。こち亀をきっかけとして、佐賀県「武雄温泉」に関する情報をご紹介します。そして最後には、地域ブランドの名前を保護する「地域団体商標」について、温泉における登録事例を取り上げました。

それでは早速みていきましょう。

「温泉」は、集客力を有する超大事な地域ブランド!

  • こち亀概要(コミック第57巻「幻の温泉郷の巻」)
    派出所の皆で秘境「品備多温泉」へ行ったところ、そこはお湯を沸かしただけのニセ温泉だった。その後両津が温泉や溶岩を掘り当て、観光地として村を盛り上げることに。溶岩を活用したレース場を設けるなど、両津は村の活性化に向け敏腕を振るうのであった。
こち亀 品備多温泉

こち亀コミック第57巻 P111 より引用

観光名所を有しない地方において、温泉が重要な観光資源である旨がうかがえます。確かに、特に冬場における旅行先の検討にあたり、温泉の存在が重要となりますよね。

これはつまり、温泉は観光客を引き寄せる大事な地域ブランドであるということ。そして観光に訪れてもらえれば、他の様々な要素を通じて、その地域特有のおもてなしをすることも可能となります。

「温泉」以外の地域ブランドでも ”おもてなし” する

温泉のみならず溶岩も掘り当てた両さん。クロスレースを開催することで、観光客の誘致に成功しています。

こち亀 品備多温泉

こち亀コミック第57巻 P119 より引用

こち亀においては「レースまんじゅう」を販売しているように、温泉目当てに訪れた観光客に対して、伝統工芸等の他の地域ブランドを体験してもらうことも有効です。

温泉という1つの地域ブランドだけではなく、複数のブランドが相互に協力して素敵な体験を提供することで、それぞれのブランド価値の向上に繋がることでしょう。

佐賀県「武雄温泉」にて、伝統工芸「弓野人形」の体験が可能

佐賀県は、「嬉野温泉」「古湯温泉」をはじめとする、歴史溢れる多くの温泉がある地です。

武雄市の「武雄温泉」においては、例えば近傍の地域ブランドと合わせた価値提供の取り組みがなされています。武雄市に伝わる伝統工芸「弓野人形」に関して、武雄温泉物産館にて絵付け体験を行うことができるのです。

武雄温泉 弓野人形

武雄温泉物産館 HP より引用

温泉だけでなくその地域の伝統工芸に触れることで、より印象的な旅行体験となりそうです。各地域ブランドには固有の歴史があり、独自の価値を持つもの。それら地域ブランドについて、地域一体となって互いに協力しながら育てていくことが大切なのでしょうね。

温泉名は「地域団体商標」を取得することが可能!

そして温泉名は「地域団体商標」に係る商標権を取得することができ、「指宿温泉(鹿児島県)」「原鶴温泉(福岡県)」等、全国50件の温泉名について登録されています。(2022年10月11日現在)

指宿温泉 原鶴温泉 登録商標

左:商標登録第6330786号 右:商標登録第5254270号

歴史溢れる地域ブランドについては、そのブランド力に便乗したい第三者が同じ名前を使用したくなるものです。その様な場合に備えて大事な名前を保護すべく、商標権の取得を検討してみてはいかがでしょうか。

地域団体商標の概要や取得のメリットについては特許庁HPをご覧ください。
地域団体商標制度とは|特許庁HP

Uchida

Uchida

義理の両親が佐賀在住。こち亀、伝統工芸、特許図面が好き。弁理士 / 観光特産士3級 / 知財ハンター。

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