こち亀シリーズ第5弾です。

これまで、佐賀県が誇る伝統工芸「諸富家具」や、西九州新幹線開業に沸く「武雄温泉」を取り上げました。

こち亀に教わる地域ブランドの育て方〜佐賀県「諸富家具」その1〜|kakeruIP弁理士法人
こち亀に教わる地域ブランドの育て方〜佐賀県「諸富家具」その2〜|kakeruIP弁理士法人
こち亀に教わる地域ブランドの育て方〜佐賀県「諸富家具」その3〜|kakeruIP弁理士法人
こち亀に教わる地域ブランドの育て方~佐賀県「武雄温泉」~|kakeruIP弁理士法人

今回のテーマは、佐賀県有田町「有田焼」及び武雄市「西川登竹細工」です。有田焼が登場するこち亀のお話を紹介するとともに、2つの工芸品が関係する特許出願事例を1つ盛り込みました。

それでは早速みていきましょう。

地域ブランドは「本物志向」に寄り添う

  • こち亀概要(コミック第32巻「ニッポンの心の巻」)
    白バイがパンクしたため、本田の実家であるバイク屋「本田輪業」へと訪れた両津と本田。本田の父親は「ジャパンスタイルが一番」であるとして、清水焼の燃料タンク、西陣織シート、竹のサスペンション等、様々なカスタムパーツを製造していた。そこに、先月単車を購入した熟年ライダーが登場し、そのこだわりについて語り始めるのであった。

コミック第32巻 P111 より引用

”ドヤ顔” の熟年ライダーが、有田焼の燃料タンクや、単車について紹介するシーンです。

ハーレーや BMW においても「本物志向」に沿っているとは思います。が、しかしやはり、日本にルーツを有する者として「日本製」は1つの安心材料であり、大事にしたいと考える人が多いのではないでしょうか。商品の機能的な観点というより、情緒的観点に基づく判断です。

自分にとって愛着のある商品に対し、地域ブランドの要素を盛り込む。

これは自分の道楽や生きがいに対して、地域ブランドの歴史が寄り添ってくれていることを意味します。地域ブランドには、数々の歴史を乗り越えてきた「安心感」「重厚さ」といった付加価値があると言えるでしょう。

そして次のシーンがとても刺さります。

コミック第32巻 P112 より引用

おだやかな心を持って、好きな道楽を楽しむ。

有田焼タンクの単車を乗り回す金山教授が伝える「これ」は、おそらく真理でしょう。SNS等を通じて無駄に他人と比較して疲弊しがちな現代において、より重要な考えかもしれません。地域を長い間支えてきた伝統工芸を道楽に取り入れながら、おだやかに過ごしていきたいものです。

そして武雄温泉記事(リンク)で紹介のとおり、複数のブランドを活用して素敵な顧客体験を提供する途もあります。佐賀県が誇る2つの伝統工芸を掛け合わせた発明事例を紹介しましょう。

地域ブランドの融合:佐賀県「有田焼」×「西川登竹細工」

特開2011-140417:陶磁器製透かし細工の製造方法及び陶磁器製透かし細工
出願人:有限会社古千製陶所

特開2011-140417 より

*注1 本発明は出願公開がなされているが、特許権として登録はされていない。
*注2 竹細工全般×陶磁器 の発明であり、西川登竹細工のみを想定しているわけではない。

こちらは有田焼の工房さんによって出願されたアイデアです。陶磁器器と竹細工を組み合わせることで、繊細な外観の陶磁器製透かし細工を製造することができるというもの。趣きの異なる2種の伝統工芸を融合させることで、素敵な逸品が誕生しそうですね。

地域ブランドの名前は「地域団体商標」で保護:佐賀県「唐津焼」

ところで、佐賀県の伝統焼物「唐津焼」は、その名前が「地域団体商標」として登録されています。歴史ある「唐津焼」について陶器分野で不正に使用されることがないよう、商標権にて保護をしているのです。

商標登録第5152697号

参考記事:地域団体商標#11 佐賀の地域ブランド「唐津焼」 – kakeruIP弁理士法人

歴史溢れる地域ブランドについては、そのブランド力に便乗したい第三者が同じ名前を使用したくなるものです。その様な場合に備えて大事な名前を保護すべく、商標権の取得を検討してみてはいかがでしょうか。

地域団体商標の概要や取得のメリットについては特許庁HPをご覧ください。

地域団体商標制度とは|特許庁HP

Uchida

Uchida

義理の両親が佐賀在住。世の中の製品やサービスに関する知的財産の情報を調査することが趣味。電機メーカー知財部&化学メーカー知財部での業務経験や趣味を活かした記事の提供を模索中。こち亀と伝統工芸が好き。弁理士試験合格(未登録)/ 観光特産士3級合格。

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